2010年02月17日
アレキサンダー・マックイーン
アレキサンダー・マックイーンです。
マックイーンが亡くなって、
どれだけ脅威の人物だったか、
痛感する次第です。
(一部チョット得意分野ですので、
マニアックに行わせていただきます)
マックイーンは、wikiによりますと
ロンドン郊外のルイシャム地区生まれとありますが、
くわしく言いますと、ストラッドフォードという町の生まれです。
えんどうまめ先輩は、6年まえとおととしに、
このストラッドフォードに行ったことがあるのですが、
住民の大半は、アフリカ系の黒人でした。
白人は少数で、ロンドン西側の町と比較すると、
貧しいひとが多いです。
駅とショッピングセンターこそ大きいですが、
ショッピングセンターの通路やバス停のまわりはゴミだらけで、
消防署のまえの植え込みには、植木や花のかわりに、
いぬのう○こが山盛りになっていて、
「turd garden」てだれかがふざけて書いた、
まさに場末といった風情です。
あ、ちなみに、この町のマクドナルドに入ったときに、
包丁を振り回してあばれている強盗?に遭遇しました。
バスの中や、新聞の売店に
行方不明の子どものポスターが何枚か貼ってありました。
ぜんぶちがう子どもでしたけども。
そんな町のお生まれです。
こういってはなんですが、
あの汚い町に生まれ育ったにもかかわらず、
どうしてあの圧倒的な美意識が形成されたのか、
ふしぎでなりません。
育った環境って、ほんとうは関係ないのかもしれません。
そしてロンドンのサビル・ローで、
紳士服のテイラーのアシスタントをしていたとあります。
はじめ「アンダーソン&シェパーズ」ってお店にいて、
こちらはそこそこ高級、あ、サビル・ローのなかでは、ってことです、
っつっても、スーツ1着作るのに、
最低価格で1500ポンドぐらいだと思います。
(「ビスポーク」というフルオーダーの価格です)
そのつぎに、チョットまえに表参道にお店があった、
「ギーヴス&ホークス」ってところに行って、
ここは、住所がサビル・ロー1番地で、
英国王室ご用達ってこともあって有名高級店なんですが、
あ、一番高級なのは「ハンツマン」だと言われているので、
いちばんってわけではないです、
「ギーヴス&ホークス」で、プリンスチャールズのスーツを作ってます。
(あ、そのときに、プリンスチャールズのスーツのそでのなかに
I am a SHITとか書いたって言われてます)
お店にもよりますけども、
サイズを計測するメジャラーさん、
パターンを作成するカッターさん(この方が計測する場合もあります)、
縫製をするテイラーさん、
仕上げをするフィニッシャーさん、がスーツを作るのですが、
メジャラーさんが営業マン、カッターさんがえらいひと、
フィニッシャーさんがぺーぺー(なかには専門の熟練さんもいます)って感じです。
フィニッシャーさんがいないお店もあると思いますが、
基本的に縫製は、テイラーさんがひとりで一着作ります。
説明が、たいへんくどかったですけど、
プリンスチャールズのスーツは、
サビル・ローのテイラーさんならだれでも作れるってわけではなく、
ようは、テイラーとしても超一流ってことです。
マックイーンは、サビル・ローのあとに、
「ロメオ・ジリ」「コージ・タツノ」に行くのですが、
その前後で、「エンジェルズ&バーマンズ」てとこで、
舞台衣装のカッティングを勉強しています。
サビル・ローも「サビル・ロー・マナー」といって、
古式ゆかしい方法で、スーツを作っていますが、
イギリスの舞台衣装は、いまも200年ぐらい前の
パターンと方法(ほとんど手縫い)で
衣装を作っているっていわれています。
なにが言いたかったかといいますと、
アレキサンダー・マックイーンは、
ふつうの服を作る上でも、
人並みはずれた技術の持ち主だということです。
そのあとに、たいした学歴もないのに、
ロンドンの有名な大学「セントラル・セント・マーチンズ」のMA(大学院)に
いきなり入るのですが、
この大学は著名なファッションデザイナーを数多く輩出していて、
ジョン・ガリアーノ、ステラ・マッカートニー、フィービー・ファイロ、
フセイン・チャラヤン、あ、ポール・スミスもそうです、
ファッションの超名門みたいな学校です。
いまでは、
この学校に行きさえすればファッションデザイナーになれるだろうという、
アジアの富裕ご子息が大集合して、
アジアを優先的に入学させているという疑いをかけられて、
(イギリスの学校は、出身エリアによって授業料がちがう場合が多く、
遠いエリアの生徒は、時にEU出身者の倍以上の授業料を支払わなくてはいけないので)
国から監査を受ける始末です。
払うものだけ払わされる・・・なんだか政治のようでもあります。
この学校は、入ったからといって、
全員卒業できるわけではなく、
卒業のときに自分のコレクションを発表するのですが、
これもセレクションがあって、
選ばれたひとだけができるものです。
マックイーンが卒業コレクションをやったときに、
トリをとったのは、日本人学生だときいたことがあります。
卒業コレクションがヴォーグのエディター、
イザベラ・ブロウさんの目にとまって、
ロンドンコレクションにデビューしました。
このイザベラ・ブロウさんも、
数多くの才能を見出したひととして、
とっても有名です。
もともと良家のお嬢さんだったイザベラ・ブロウさんですが、
インド系の大富豪とご結婚して、
だんなさんの財産をマックイーンにつぎこんでいたとか。
マックイーン伝説、まだまだありますが、
この方の「破壊」が圧倒的なのは
だれよりも高いクオリティで制作できるにもかかわらず
それを壊すところにあるのでは、と思います。
マックイーンが亡くなって、
どれだけ脅威の人物だったか、
痛感する次第です。
(一部チョット得意分野ですので、
マニアックに行わせていただきます)
マックイーンは、wikiによりますと
ロンドン郊外のルイシャム地区生まれとありますが、
くわしく言いますと、ストラッドフォードという町の生まれです。
えんどうまめ先輩は、6年まえとおととしに、
このストラッドフォードに行ったことがあるのですが、
住民の大半は、アフリカ系の黒人でした。
白人は少数で、ロンドン西側の町と比較すると、
貧しいひとが多いです。
駅とショッピングセンターこそ大きいですが、
ショッピングセンターの通路やバス停のまわりはゴミだらけで、
消防署のまえの植え込みには、植木や花のかわりに、
いぬのう○こが山盛りになっていて、
「turd garden」てだれかがふざけて書いた、
まさに場末といった風情です。
あ、ちなみに、この町のマクドナルドに入ったときに、
包丁を振り回してあばれている強盗?に遭遇しました。
バスの中や、新聞の売店に
行方不明の子どものポスターが何枚か貼ってありました。
ぜんぶちがう子どもでしたけども。
そんな町のお生まれです。
こういってはなんですが、
あの汚い町に生まれ育ったにもかかわらず、
どうしてあの圧倒的な美意識が形成されたのか、
ふしぎでなりません。
育った環境って、ほんとうは関係ないのかもしれません。
そしてロンドンのサビル・ローで、
紳士服のテイラーのアシスタントをしていたとあります。
はじめ「アンダーソン&シェパーズ」ってお店にいて、
こちらはそこそこ高級、あ、サビル・ローのなかでは、ってことです、
っつっても、スーツ1着作るのに、
最低価格で1500ポンドぐらいだと思います。
(「ビスポーク」というフルオーダーの価格です)
そのつぎに、チョットまえに表参道にお店があった、
「ギーヴス&ホークス」ってところに行って、
ここは、住所がサビル・ロー1番地で、
英国王室ご用達ってこともあって有名高級店なんですが、
あ、一番高級なのは「ハンツマン」だと言われているので、
いちばんってわけではないです、
「ギーヴス&ホークス」で、プリンスチャールズのスーツを作ってます。
(あ、そのときに、プリンスチャールズのスーツのそでのなかに
I am a SHITとか書いたって言われてます)
お店にもよりますけども、
サイズを計測するメジャラーさん、
パターンを作成するカッターさん(この方が計測する場合もあります)、
縫製をするテイラーさん、
仕上げをするフィニッシャーさん、がスーツを作るのですが、
メジャラーさんが営業マン、カッターさんがえらいひと、
フィニッシャーさんがぺーぺー(なかには専門の熟練さんもいます)って感じです。
フィニッシャーさんがいないお店もあると思いますが、
基本的に縫製は、テイラーさんがひとりで一着作ります。
説明が、たいへんくどかったですけど、
プリンスチャールズのスーツは、
サビル・ローのテイラーさんならだれでも作れるってわけではなく、
ようは、テイラーとしても超一流ってことです。
マックイーンは、サビル・ローのあとに、
「ロメオ・ジリ」「コージ・タツノ」に行くのですが、
その前後で、「エンジェルズ&バーマンズ」てとこで、
舞台衣装のカッティングを勉強しています。
サビル・ローも「サビル・ロー・マナー」といって、
古式ゆかしい方法で、スーツを作っていますが、
イギリスの舞台衣装は、いまも200年ぐらい前の
パターンと方法(ほとんど手縫い)で
衣装を作っているっていわれています。
なにが言いたかったかといいますと、
アレキサンダー・マックイーンは、
ふつうの服を作る上でも、
人並みはずれた技術の持ち主だということです。
そのあとに、たいした学歴もないのに、
ロンドンの有名な大学「セントラル・セント・マーチンズ」のMA(大学院)に
いきなり入るのですが、
この大学は著名なファッションデザイナーを数多く輩出していて、
ジョン・ガリアーノ、ステラ・マッカートニー、フィービー・ファイロ、
フセイン・チャラヤン、あ、ポール・スミスもそうです、
ファッションの超名門みたいな学校です。
いまでは、
この学校に行きさえすればファッションデザイナーになれるだろうという、
アジアの富裕ご子息が大集合して、
アジアを優先的に入学させているという疑いをかけられて、
(イギリスの学校は、出身エリアによって授業料がちがう場合が多く、
遠いエリアの生徒は、時にEU出身者の倍以上の授業料を支払わなくてはいけないので)
国から監査を受ける始末です。
払うものだけ払わされる・・・なんだか政治のようでもあります。
この学校は、入ったからといって、
全員卒業できるわけではなく、
卒業のときに自分のコレクションを発表するのですが、
これもセレクションがあって、
選ばれたひとだけができるものです。
マックイーンが卒業コレクションをやったときに、
トリをとったのは、日本人学生だときいたことがあります。
卒業コレクションがヴォーグのエディター、
イザベラ・ブロウさんの目にとまって、
ロンドンコレクションにデビューしました。
このイザベラ・ブロウさんも、
数多くの才能を見出したひととして、
とっても有名です。
もともと良家のお嬢さんだったイザベラ・ブロウさんですが、
インド系の大富豪とご結婚して、
だんなさんの財産をマックイーンにつぎこんでいたとか。
マックイーン伝説、まだまだありますが、
この方の「破壊」が圧倒的なのは
だれよりも高いクオリティで制作できるにもかかわらず
それを壊すところにあるのでは、と思います。
Posted byえんどうまめ先輩at01:11
Comments(2)
その他
この記事へのコメント
メンズスーツのテイラーから入ったひとなんですね。
その中でも、イギリス、イタリアと、ものすごく揺れ幅が大きい。
そしてレディスのデザイナーとしても成功するなんて、改めて型破りのすごい人なんですね。
その中でも、イギリス、イタリアと、ものすごく揺れ幅が大きい。
そしてレディスのデザイナーとしても成功するなんて、改めて型破りのすごい人なんですね。
Posted by しぞーか式。 at 2010年02月17日 23:25
しぞーか式。さん、コメントありがとうございます。
すいません、ロメオ・ジリのことは、ぜんぜん知らないのですが、
ロンドンの中でも、サビル・ローは特殊なところで、
金融バブルがくるまで世間的にも没ってたのですが、
モードとかけはなれているにもかかわらず、
ファッション業界ではいつも修行の場です。
ステラ・マッカートニーも、サビル・ローで見習いしてました。
まえに、ジバンシーのメンズラインのクリエイティブ・ディレクターをしていたオズワルド・ボーテングもサビル・ローのテイラーです。
あ、イギリスのもうひとりの女王ヴィヴィアン・ウエストウッド様は、サビル・ロー行ってません・・・!
マックイーンがすごいのは、仕立て職人が人手不足っていうニュースをたまたま知って、見習いになったっていわれてます。ステラがファッションデザイナーになりたくて、お父様のコネを使いまくってラクロワに入ったり、卒業コレクションでケイトやナオミ使ったりするのと、わけがちがいます。
すいません、ロメオ・ジリのことは、ぜんぜん知らないのですが、
ロンドンの中でも、サビル・ローは特殊なところで、
金融バブルがくるまで世間的にも没ってたのですが、
モードとかけはなれているにもかかわらず、
ファッション業界ではいつも修行の場です。
ステラ・マッカートニーも、サビル・ローで見習いしてました。
まえに、ジバンシーのメンズラインのクリエイティブ・ディレクターをしていたオズワルド・ボーテングもサビル・ローのテイラーです。
あ、イギリスのもうひとりの女王ヴィヴィアン・ウエストウッド様は、サビル・ロー行ってません・・・!
マックイーンがすごいのは、仕立て職人が人手不足っていうニュースをたまたま知って、見習いになったっていわれてます。ステラがファッションデザイナーになりたくて、お父様のコネを使いまくってラクロワに入ったり、卒業コレクションでケイトやナオミ使ったりするのと、わけがちがいます。
Posted by えんどうまめ先輩
at 2010年02月18日 00:07
